キリンカップ決勝で日本代表はニュージーランド代表に2-1で勝利して、15年ぶりの優勝を果たした。2024年3月以来となる先発からの4バックもまずまず機能。右SHで躍動したMF堂安律、安定感を見せたMF佐野海舟、4バックでも存在感を示したDF瀬古歩夢とDF伊藤洋輝など、収穫の多い試合になった。今回はニュージーランド戦に出場した19人を採点する。
GK鈴木彩艶 6.0
→ ニュージーランドに押し込まれる時間が少なく、スーパーセーブを連発するような展開にはならなかった。前半32分の失点はカウンターから崩された形でGK鈴木彩艶の責任とは言えない。その他の場面はハイボールへの対応も含めて安定。危険なミスもなかった。今の日本代表では正GKとして完全に定着している。
DF中野就斗 5.5
→ 久しぶりの4バックで右SBを任された。前半28分にはクロスからFW上田綺世の先制ゴールにつなげて、攻撃面では結果を残した。ロングスローもA代表の武器になる可能性が高い。ただ、失点シーンは最初の判断が遅くて、最後は相手に走り負ける形になった。攻撃面には可能性を感じるだけに、守備力をさらに高めたい。
DF瀬古歩夢 6.5
→ この秋の代表活動で大きく評価を上げた。DF伊藤洋輝とのCBコンビは安定しており、FWクリス・ウッドを相手にしても大きく崩されなかった。攻撃面でもくさびのパスやロングパスが効果的。以前はややムラのある印象もあったが、ここ最近は安定感が明らかに増している。今では「最終ラインの軸」と言っていい存在になった。
DF伊藤洋輝 7.0
→ DF瀬古歩夢と組んで非常に安定していた。高さとフィジカルのあるニュージーランドを相手にしても空中戦で簡単には負けず、FWクリス・ウッドにも自由を与えなかった。左足からの縦パスや大きな展開でも攻撃の起点に。3バックの左でも4バックのCBでも高いレベルでプレーできる。攻守両面で質の高い90分だった。
DF鈴木淳之介 5.5
→ 左SBで先発。慣れたポジションではないことを考えると大きく崩れることなく対応した。後半3分にはクロスからFW上田綺世の惜しいシュートもお膳立て。ただ、4バックを本格的に採用するのであれば、左足で質の高いクロスを供給できる本職の左SBは欲しい。4バック採用時の最大の懸念材料はここになる。
MF佐野海舟 7.0
→ この日もさすがのプレーだった。危険を察知してボールを奪う能力はもちろん高く、奪った後に前向きでプレーできるのも大きい。相手のカウンターの芽を早めに潰して、日本が押し込む展開を維持するうえで貢献した。派手な数字は残らなくても試合全体への貢献度は高い。今の日本代表には欠かせない選手である。
MF鎌田大地 6.0
→ MF佐野海舟とダブルボランチを形成。目立つ場面は少なかったが、中盤でボールを受けながら攻撃のリズムを整えた。ゴール前に顔を出す回数は多くなかったが、低い位置からゲームを組み立てる役割は無難にこなした。本人の能力を考えるともっと出来る気はするが、まずまずの出来だった。
MF堂安律 7.0
→ この日の日本で最も活き活きしていた選手の1人。最近は右WBでの起用が多いが、今回は右SHだったので高い位置でボールを受けて積極的にゴールへ向かった。MF久保建英との関係性も良く、後半26分にはMF中村敬斗の折り返しを押し込んで決勝ゴール。彼の攻撃力を最大限に生かすなら4バックの方がベターに感じる。
MF久保建英 6.0
→ トップ下で先発。右サイドに流れたときはMF堂安律とのコンビネーションから良い形を作った。狭いエリアでも簡単にはボールを失わず、違いを作れる雰囲気はあった。ただ、決定的なラストパスやシュートは少なかった。本人に求められているレベルを考えると、ゴールやアシストという結果が欲しかった。
MF前田大然 6.0
→ 左SHでの起用はなかなか良かった。爆発的なスピードを生かして背後を狙う動きには迫力があり、守備時のプレッシングでも持ち味を発揮した。ただ、前半32分には軽率なパスを奪われて、そのまま失点につながった。このミスは大きなマイナス。左SHでも使えることは示したが、判断やパス精度には改善の余地がある。
FW上田綺世 6.5
→ 前半28分に先制ゴール。チャンスが来ればしっかり仕留めるあたりは日本代表のエースらしい。後半にも惜しいシュートを放ち、ポストプレーや空中戦でも前線の基準点になった。秋の4連戦では4ゴール。CF争いでは他の選手との差がかなり広がっており、今では日本代表で最も替えの利かない選手の1人と言える。
MF中村敬斗 7.0
→ 後半19分から出場すると左サイドの攻撃を一気に活性化させた。得意のドリブルで積極的に仕掛けて、後半26分にはMF堂安律の決勝ゴールを見事にアシスト。さらにFW上田綺世へのパスから惜しい場面も作った。スタートからでも途中からでもゴールに直結する仕事ができるのは大きな強み。短時間で明確に違いを作った。
MF伊東純也 6.5
→ 後半19分から右サイドに入ると、スピードを生かして縦へ仕掛けて攻撃に勢いを加えた。相手が疲れてきた時間帯だったこともあり、MF伊東純也のスピードは効果的だった。直接ゴールやアシストはなかったが、相手を押し下げる働きは十分。途中出場から流れを変えられるカードとして依然として価値は高い。
MF田中碧 6.5
→ 後半19分から出場。MF中村敬斗、MF伊東純也と同時に投入されると、日本の攻撃のテンポが一段上がった。ワンタッチやツータッチで簡単にさばいて中盤の循環をスムーズにした。守備でも相手のカウンターを意識してポジションを取った。派手ではなかったが、途中出場から試合を落ち着かせる働きを見せた。
DF荒木隼人 6.0
→ 後半33分から出場。2-1でリードした終盤に最終ラインへ入って、試合を締める役割を任された。難しい対応を迫られる場面は多くなかったが、集中を切らさずロングボールやクロスに対応。大きなミスもなく逃げ切りに貢献した。こうした状況で安心して投入できるCBがいるのは大きい。
MF佐野航大 6.0
→ 後半33分から出場。決定的な仕事まではいかなかったが、中盤でボールを受けながら無難にプレーした。ただ、日本代表の中盤は実力者が多く、序列を上げるためには無難なプレーだけでは足りない。次にまとまった時間を与えられたときには、ゴールやアシストにつながる強いインパクトを残したい。
FW塩貝健人 6.0
→ 後半33分からFW上田綺世に代わって出場。CFのバックアップ争いを考えると重要な時間だったが、カウンターからドリブルで待ち運んでゴールに向かうシーンはあった。積極性は買えるが、「左にいた味方にパスを出す」という選択肢もあった。ただ、試合展開などを考えると自らゴールを狙う判断は間違いとは言えない。
MF松木玖生 採点なし
→ 後半42分から出場。プレー時間が短かったので採点なし。もう少し長い時間見たかった。
MF田中聡 採点なし
→ 後半42分から出場。プレー時間が短かったので採点なし。見せ場を作る時間はなかった。
秋の4連戦はPK戦での勝利を含めて4連勝で終了した。今回の活動で最も評価を高めたのはDF瀬古歩夢だろう。FW上田綺世も4ゴールを記録してエースとして貫禄を見せた。MF堂安律は4バックの右SHで攻撃面の良さを発揮。来年1月のアジア杯に向けて、既存のW杯組を脅かす選手がさらに出てくることを期待したい。